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「知財高裁設立1周年」
知財高裁の一年間の判決数は、400件を上回り、審決取消訴訟や侵害訴訟の平均審理期間は、10年前の半分程度になったとのことです。
1. 「知財高裁設立1周年」に関する新聞記事
最近掲載された新聞記事の中に、「知財高裁設立1周年」に関するものがありました。知財高裁の一年間の判決数は、400件を上回り、審決取消訴訟や侵害訴訟の平均審理期間は、10年前の半分程度になったとのことです。
猛スピードで新製品の開発が行われ、製品のライフサイクルが極端に短くなってきている今日において、知財に関連した訴訟の審理が短期間の内に決着するのは、製品の開発者にとって非常に望ましいことであると思います。
その一方では、特許庁で“有効”とされた特許が訴訟審理の中で簡単にひっくり返されるケースが急増しており、それに伴って、特許庁においても特許の有効性に関して厳しい方向になってきているとの指摘もあります。“結局無効になるようなら出願しない方が得策”という考え方が拡がり、特許制度の形骸化に繋がる事態が懸念されるところです。
また、知的財産戦略本部(本部長:小泉首相)で決定する「知的財産推進計画2006」では、出願公開による海外への技術流出を防ぐため、闇雲な特許出願を改め、営業秘密や自社のノウハウとして社内で非公開のまま管理することを推奨しているようです。
インターネットの普及によりボタン一つで世界中に情報が飛び交う現代において、技術的思想を自社のノウハウとして秘密に管理することを推奨するのはいかがなものか、という気もしますが、十分な審査が行われることなく特許されたために高裁でひっくり返されるケースが増加していることを考慮すると、出願対象を厳選すべきとの考え方も成り立つのかも知れません。
進歩性※ の判断基準が厳しくなり、簡単に特許を受けることができなくなりつつある現状を鑑みると、企業の開発の成果である発明を効果的に保護するためには、出願対象を厳選するだけの消極的な対応とは別に、発明をどう捉えるかについて十分に吟味した“戦略的な特許出願”が必要になってきていると言えるでしょう。そして、我々特許事務所に勤務する者にも、そのような“出願戦略”作りに積極的に参加する姿勢が求められているように思います。
※進歩性:特許を受けるための要件の一つであり、発明が先行技術から容易に
考えられないものであること
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