1. インクカートリッジのリサイクル品の実施に係る特許侵害事件

11月8日にインクカートリッジのリサイクル品の実施に係る特許侵害事件の最高裁判決が出されました(11.9日刊工業、日本経済等)。原審である知財高裁での判決通りリサイクル品の特許侵害を認定していますが、侵害の判断基準については知財高裁で示された2つの類型を否定し、別の判断基準を認定しています。但し、別の判断基準といっても、特許製品の新たな製造に当たるかどうかを、特許製品の属性や特許発明の内容、加工及び部材の交換の態様等を総合考慮して判断すべきという内容で、知財高裁の判断基準より曖昧と言え、特筆すべき指標の提示はなく、従来学説等で論じられてきた内容を再確認した格好となっています。結局事件ごとの判断となる訳で、リサイクル品を実施しようとする者にとって侵害の判断が難しくなったと言えます。
従って、特許がリサイクル運動を不当に制限してしまう事態も充分予想されます。リサイクル自体は地球規模で励行される中で、これと逆行するように一概に特許権の行使を認めるのは今後問題が生じそうです。特許とリサイクルとの調和を図る新たな方策が必要かも知れません。
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