石田国際特許事務所 株式会社イシックス
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石田国際特許事務所 パテントコラム バックナンバー
バックナンバーはこちらをご覧下さい。


【特許法改正へ】 H22年11月30日 日本経済新聞
 特許庁が2011年の通常国会に提出する特許法改正案の内容が明らかとなったようです。記事によれば、今回の改正法の“目玉”は“特許の使用権の保護強化”で、現行法では、特許の利用に関して当事者間の契約を特許庁に登録していない場合に、企業買収等により特許の所有権が移転すると、特許の利用者が差し止めや損害賠償を請求される可能性もありますが、改正法では、特許を保有している企業が経営破綻したり買収されたりしても、利用者の権利がそのまま継続的に認められることになるようです。
 また、改正法には、特許を“横取り”された者を救済すべく、本来の発明者でない個人や企業が出願して得た特許の名義を訴訟を通じて真の発明者に変更できる制度が盛り込まれているようです。

 

【ヤクルト容器 立体商標として登録へ】 H22年11月17日 中日新聞等
  “乳酸菌飲料「ヤクルト」の容器の形状を「立体商標」として認めないのは不当”としてヤクルト社が特許庁の審決の取り消しを求めた訴訟の判決で、知財高裁は、「(ヤクルトの)容器の立体的形状は、商品名と同等かそれ以上に顧客の目につきやすい、強い印象を与えるものと認められ、他社商品との識別力を得ている」と判断し、“容器の形状は識別力を有さない”とした特許庁の審決を取り消したようです。
  裁判では、“ヤクルトは40年以上にわたって容器の形状が変わっておらず、酸菌飲料の中でも高いシェアの販売実績を有している”と判断され、そのことが判決に結びついたようです。

 

 


2.EPC規則改正  

最近、頻繁にヨーロッパ特許に関する規則が改正されていますが、2011年1月1日以降に出願するヨーロッパ出願で優先権主張を伴うものは、基礎となる出願についての調査結果のコピーをヨーロッパ特許庁(EPO)に提出することが義務付けられるようになります(改正されたEPC規則141)。またPCTからヨーロッパを広域指定し、2011年1月1日以降に移行する場合も同様です。提出が義務となる調査結果のコピーは、基礎出願における審査結果のコピーを含みます。提出時期は、出願と同時、又はPCTからのヨーロッパ移行時ですが、出願時(移行時)までに調査結果(審査結果)が出ていない場合は入手次第提出します。またEPOで審査が開始されるまでに提出されていない場合、EPOは提出指令を出しますが、指定された期間内に調査結果が提出できない場合は、その旨の書面を提出します。何も提出しないと出願は取下げたものとみなされます。
提出する書類は、第1国出願(基礎出願)の特許庁からの調査報告(審査結果)、引用先行文献のリストなどですが、引用文献そのもののコピー、調査結果の翻訳は不要です。
優先権主張の基礎出願が複数ある場合には、各出願についての調査結果を提出することになるようです。
※ その後EPOから、日本出願に基づく優先権主張を伴う欧州特許出願については、上記義務が免除されるとの通知があった旨、特許庁HPで公表されました。
http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_tokkyo/shutsugan/Europe_tokkyo_kaisei.htm

 

2.中国の実用新案制度について

中国には特許とともに実用新案制度があります。実用新案は日本と同様、方法は保護対象にはなりません。また方式審査しか行われず、権利行使の際には評価報告書が必要です。日本の制度とよく似ていますが、日本とは異なった特徴も有しています。
最大の特徴は、同一技術に対し、特許出願と実用新案出願とが併存できるということです。従って、まず早期権利化が可能な実用新案登録を得た後、特許が認められた場合に実用新案権を放棄して特許権を取得する、ということが可能です。
手続的には、特許出願及び実用新案登録出願を同日に行い、出願時にそれぞれの出願において同一発明創造につき併存出願した旨を説明します。また、特許出願の審査過程で、審査官が特許を付与しようとする際には、出願人に対して実用新案権を放棄するよう通知がなされます。このとき実用新案権が放棄されなければ特許は付与されません。権利放棄の宣言書が提出されると、実用新案権は特許権の付与公告日に消滅しますので、実用新案権と特許権とが途切れることなく継続して存在することになります。
実用新案権は、実体的審査が行われることなく登録されるため、権利行使には権利評価書が必要な点、権利の無効率が特許に比べ高い点などの特徴もありますが、出願時に権利として長期間の保護が必要かどうかについて迷う場合など、費用は2件分とはなるものの、併存出願もオプションの一つとなるでしょうし、実際の利用率も低くはないようです。

 
 
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