パテントコラム

2017年10月

【Topic.1】中国の特許出願爆発的に増加

(2017年9月25日 日本経済新聞)

中国はものまね大国から知的財産権の「強国」に向け急速に移行中だとする報告書を科学技術振興機会がこのほどまとめた。企業や大学の特許出願が爆発的に増え、知財保護制度も整備されてきたと分析。2020年代は知財の米中2強時代になると展望している」と報告されています。中国での特許出願件数は134万件とのことで、世界で最も多いようです。以前は外国から中国への出願が多かったのですが、近年は中国企業による出願も増加し、PCT出願についてみても中国の通信機器会社などは積極的に利用しているようです。中国企業、大学による独自の技術開発も急速に進み、中国自国及び外国における技術の保護についての関心が高くなってきていると言えます。

【Topic.2】歌詞のない曲 初の商標登録

(2017年9月25日 日本経済新聞)

「特許庁は歌詞のない曲の商標登録を初めて認める。大幸薬品と独BMW,米インテルの3社が出願していた商標を登録する。」とのことです。
音の商標について、平成26年4月の制度導入以来、本年9月までに、登録例は約170件ありますが、いずれも歌詞付きの音であって、歌詞自体に識別力があると判断されて登録が認められていました。一方、歌詞がない音のみから成る商標の登録は、音自体に識別力があると認められないケースが多く、登録はかなり難しいとされ、実際に本年9月までには登録例はありませんでした。今回、認められた商標はいずれもコマーシャルなどで長年使用されており、広く認知されている、と判断されたものと思われます。登録された音の商標の権利範囲などについてはこれからの判断に待つことになりますが、今回の特許庁の判断は、審査段階での今後の音のみから成る商標の登録判断の基準になるものと思われます。