パテントコラム

2020年12月

【Topic.1】海外からの模倣品の持ち込み、個人使用でも没収へ

(2020年11月6日 日本経済新聞)

政府は、海外から持ち込まれる偽ブランド品等の取り締まりを強化するため、これまで規制対象外であった個人使用を目的とする輸入についても、商標権の侵害に相当すれば税関で没収できるようにするようです。
現行の商標制度では「業として」の輸入行為のみが違法になっているため、“個人的な使用のため”と偽って模倣品を輸入する事業者が増えているようです。そのような状況を踏まえて、政府は、輸入目的の如何を問わず海外事業者が日本に持ち込む模倣品を取り締まることができるように商標法の改正を行う方針のようです。
なお、模倣品を買った個人に対する罰則については設けない方向で法改正が検討されるようです。

【Topic.2】特許庁、中小に対する手数料の減免制度の縮減へ

(2020年11月25日 日本経済新聞)

特許庁は、特許出願等の手数料について、引き上げも含めた見直しに着手し、現行の中小企業向けの減免制度を来年にも縮減するようです。
これまで、特許出願等の手数料は、出願件数の増加を重視して欧米より安価になっていましたが、会計上は赤字続きだったようで、庁内の「特許特別会計」が逼迫しないように、今秋、収支改善に向けて検討を始めたとのことです。業務の効率化等により無駄な支出を減らす一方、手数料の増額も視野に入れて料金体系を見直すようで、中小に対する手数料の減免制度も見直しの対象になるようです。
ただ、日本の特許出願件数は、年々減少しており、中国や米国との差が拡がっています。手数料を引き上げればその傾向に拍車がかかるのでは、との懸念もあるようです。