パテントコラム

2023年3月

【Topic.1】次世代車特許アマゾン首位 米テック5者の出願分析

(2023年2月27日 日本経済新聞)

「米テック大手5社の自動車の次世代技術関連特許を分析したところ、出願数でアマゾン・ドット・コムが首位だった。新興企業の買収によって、グーグルが強かった自動運転分野でアマゾンの出願数が急増した。次世代車技術の競争力は生産規模ではなく人口知能(AI)など知的財産が左右する。テック大手の台頭で自動車の競争や競業のあり方が変わる。」との記事が掲載されています、日本経済新聞社の専門メデイアの調査によれば、米国のIT大手5社の「GAFAM 」と称される「グーグル(アルファベット)」「アマゾン」「フェイスブック、現在は『メタ』」、「アップル」「マイクロソフト」の2003年以降の自動運転等のモビリティ関連特許の出願件数は、アマゾン社が1649件で首位、2位はアルファベット社(1355件)だったとのことです。次世代車開発には、自動運転や電動化など「CASE(Connected, Autonomous, Shared, Electric)」と呼ばれる新領域の技術が必要となると言われているところ、アマゾン社は物流をデジタルで高度化する物流IoT領域で、またアルファベット社は自動運転領域で進んでいます。一方、次世代車技術の特許では自動車大手の存在感は大きく、ホンダの自動運転分野での特許件数はアルファベット社の出願件数を大きく上回っているとのことです。今後について記事は、「次世代車開発を巡り車大手とテック大手の合従連衡の流れが強まる可能性がある。」と述べています。

【Topic.2】偽エアバッグ、40カ国輸出か 関税法違反容疑4人再逮捕へ

(2023年2月16日 日本経済新聞)

「大手自動車メーカー製を模した偽のエアバッグを海外に輸出しようとしたとして警視庁は16日、群馬県在住のパキスタン国籍の男ら4人=商標法違反容疑で逮捕=を関税法違反(輸出未遂)容疑などで再逮捕する方針を固めた。」との記事が掲載されています。偽エアバッグは既に電子商取引サイトで販売され約40カ国に輸出されたとみられ、製品には、国内自動車メーカーのロゴを模したエンブレムが付されていたとのことです。実際には、偽のエンブレムを付けたエアバッグ12個を米国に輸出しようとした際に成田空港で税関職員が発見し、輸出を差し止めたことのようです。4人は、中国から偽のエンブレムやエアバッグカバーなどの部品を輸入し、日本国内でエアバッグを製造してインターネットを通じて国内外で販売したため、1月に商標法違反容疑で逮捕されていましたが、知的財産権を侵害する物品の輸出を禁止する関税法違反の容疑で、記事の掲載後に再逮捕されました(2月17日付け日本経済新聞デジタル版)。今回報道された事案は、日本が偽造品の輸出拠点となっており、これまで多かった海外から日本への偽造品輸入の取り締まりとは異なる形となっています。なお、販売された製品は、衝突時に作動しなかったり、部品が飛び散ったりする危険性が確認されたとのことです。