パテントコラム

2024年3月

【Topic.1】少年マガジン「ブルーロック」早バレ被害 講談社「読者の喜びを奪う悪質で卑劣な行為」

(2024年2月27日 読売新聞オンライン)

「週刊少年ジャンプ」や「週刊少年マガジン」の漫画を発売前にインターネット上で公開したとして、外国籍の男2人を著作権法違反容疑で逮捕した事件を巡り、少年マガジンを出版する講談社は、26日、許可なく公開されたのは人気漫画「ブルーロック」だったと明らかにするとともに「著者の権利を侵害し、発売日に読むという読者の喜びを奪う極めて悪質で卑劣な行為」との談話を出し、少年ジャンプを出版する集英社も「『早バレ』ルートの解明が今後の被害抑止につながることを期待する」とコメントしているとのことです。
販売前の漫画の画像がネットにアップされる「早バレ」が問題となっています。
発売日の前後を問わず著者の許諾なくネットに画像を公開する行為は著作権法に違反しますが、より早く公開することで閲覧数が多くなり、広告収入が増えると考えられるため、横行しているようです。

【Topic.2】違法な「ネタバレ」線引きどこに

(2024年2月8日 中部経済新聞)

上記のような「早バレ」のほか、作品の重要な部分をばらしてしまう「ネタバレサイト」もネット上に数多く存在し、問題となっています。ネタバレサイトでは、漫画の画像自体をネットに掲載するのではなく、セリフや文章の描写だけを掲載しています。
このようなネタバレサイトは、漫画そのものを掲載していないものの、原作者にとって、閲覧者が実際に作品を買えば利益になる一方、内容を知っただけで満足して購入しなければ損害をもたらします。漫画の内容をどこまで原作に即して紹介すれば著作権法違反の刑事罰が科されるのかについて、昨年11月の東京地裁判決により、一つの線引きが示されたとのことです。この判決では、「呪術廻戦」などの人気作品を基に、各こまの画像がなくセリフの引用と文章の描写のみを掲載した男性が有罪とされました。
判決では「作品の潜在的な購入候補者の購入意欲を低下させ、著作権者が正当な対価を受け取る機会を失わせる性質があり、漫画文化の発展を阻害する」と指摘し、懲役1年6月、執行猶予3年、罰金100万円の有罪が確定したとのことです。
漫画業界を守るため、私たちユーザ側が、このようなサイトを閲覧しないようにすること、そして正規なルートで閲覧、購入することが重要であると改めて感じています。