2025年11月
【Topic.1】人気キャラ、AI大量生成
生成AIの急速な発達により、ポケモンに登場するような日本の人気キャラクターが登場する動画が容易に生成され、拡散されています。このような動画の生成は著作権侵害の可能性が高く、専門家は注意喚起を求めています。しかしながら、生成AI側には著作権を根拠に生成を抑制する仕組みが整備されておらず、日本のキャラクターは生成可能なまま放置されています。一方で、ディズニー作品のキャラクターは動画生成されないなど、生成AI側で制御が働いています。この対応の差に対し、日本の出版社からは不満の声が上がっており、著作物の扱いに一貫性を欠く現状が浮かび上がっています。一方、対象がキャラクターではなく実在人物である場合、実在人物の映像生成は肖像権に関わる領域であり、OpenAIは「本人の同意が得られなければ動画生成を行わない仕組み」を導入しています。著作権分野とは異なり、同意を基盤とした対応が採られている点が特徴的です。AI生成物をめぐるこうした扱いの違いは、保護のあり方に分断が残る現状を示しています。
生成AIがキャラクターと実在人物で異なる扱いをしている現状は、知的財産権の観点から見ても看過できない問題です。キャラクターについては、著作権の保護対象であるにもかかわらずAI側に生成を抑制する仕組みがなく、日本のキャラクターは無断でそのまま動画化されてしまっており、このような状況は、動画という形で流通することでブランド価値や作品の独自性が損なわれる危険があります。これに対し、実在人物については肖像権の観点から本人同意を求める仕組みが整備されており、これがキャラクターとの大きな違いになっています。OpenAI が同意を前提とする生成制限を導入したことは、権利保護に資する措置と評価できます。しかし、この仕組みがキャラクターには適用されず、また、ディズニー作品だけが生成されないといった“個別対応”にとどまっている点は公平性に欠けるものです。日本の出版社が不満を示すのは当然だと思いますし、本来は制度として整えるべき領域だと考えられます。生成AIがキャラクターと実在人物とで異なる対応を取っている現状は改善する必要があり、権利者とAI事業者の双方が納得できる一貫した保護の仕組みを早急に整える必要があると思います。具体的には、キャラクターやコンテンツの無断生成を技術的に抑制する仕組みの制度化、国際的に整合した権利保護のルールづくり、利用者に対する明確なガイドラインの整備といった対応が必要だと考えます。

