パテントコラム

2026年2月

【Topic.1】ソニー、AIがゲーム攻略してくれる『AIゴースト』特許を出願

(2026年1月6日 Gadget Gate)

「ソニーが、ゲームの難所でリアルタイム支援を行うAIキャラクターを想定した特許『AI Ghost』を出願していたことが明らかになった。この特許は昨年4月に公開されたもので、ゲームプレイ中に『ゴースト支援』を行うAIシステムの構想が示されている。デジタルAIゴーストは、ライブ配信プラットフォームやSNS、YouTube動画などにまたがる、何千時間もの実際のゲームプレイ映像を用いて訓練されたAIモデルであるとされている。」とのことです。
例えば複雑なパズルで行き詰まった場合や、強力なボスとの戦闘の場合に、ヒントをもらったり踏み込んだ支援をもらったりできるようで、難所ではAIが操作を引き継ぐことも可能だそうです。
となると途中でゲームを投げ出すことはなくなりそうですが、逆に安易にAI支援を求めるようになり、ゲームをクリアする達成感が低下するかも知れません。なお、この特許は米国特許出願を基礎にPCT出願され、国際公開(WO2025/080356)されています。

【Topic.2】工作機械巡りスパイか ロシア政府元職員ら 容疑で書類送検 警視庁

(2026年1月21日 日本経済新聞)

「首都圏の工作機械関連会社から営業秘密を口頭で漏らしたとして、警視庁公安部は20日、いずれも30代の同社元社員の男性と在日ロシア通商代表部の元男性職員を不正競争防止法違反(営業秘密開示)の疑いで書類送検したと発表した。同庁は先端技術を狙ったスパイ事件とみて、外務省などを通じてロシア大使館に元代表部職員の出頭を要請した。」とのことです。
同庁は元社員の認否を明らかにしておらず、元職員はすでにロシアに帰国しているそうです。元職員は、ロシア対外情報局(SVR)で科学技術情報を収集するグループ「ラインX」の所属とみられ、23年春ごろに路上で道を尋ねる目的で元社員に接触し、その後、飲食などの接待を通じて情報を求め、元社員はそれに応じてパンフレットやカタログ、製品の取説などを元職員に渡し、報酬として70万円を受け取っていたそうです。このように職員が身分を隠して接触し、接待や金銭の授受を通じて関係を深める手法は多いようでう。
この事件を受けて政府ではいわゆる「スパイ防止法」の制定に意欲を示しているそうです。元々日本は「スパイ天国」と揶揄されていましたので、厳格な姿勢を示すのは必要かも知れません。

【Topic.3】特許の国際紛争 東京で迅速解決 企業負担減り競争力向上 地裁、半年で調停めざす

(2026年1月29日 日本経済新聞)

「東京地裁は国際的な特許紛争を迅速に解決する制度を導入する。スマートフォンなどに不可欠な標準必須特許(SEP)に関する争いに絞った調停を始める。半年程度での成立をめざす。紛争を訴訟で解決する場合、数年かかる例が多い。東京の裁判所で迅速な合意を得られれば、日本企業のコストや時間の負担が大幅に軽減できる。」とのことです。
「標準必須特許」は、通信分野で機器や通信会社を問わず同じサービスを提供するのに必要な標準技術に不可欠な特許で、端末と基地局とを接続する技術や、データを効率的に伝送したり圧縮したりする技術に関する特許が挙げられます。いわゆる「IoT」(モノのインターネット)に不可欠な技術です。
この調停は、裁判官一人と、弁護士などの専門家二人との計三人による調停委員会が手続を進めるもので、調停は原則3回で、日本の特許だけでなく全世界で持つ特許のライセンス契約が目的とされるようです。
例えば2011年に始まった米アップル対韓国サムスン電子との争いは10カ国に及び、和解まで7年もかかっていますので、本制度を利用すれば紛争にかかる時間やコストを大きく軽減できることになります。ただ数カ国に跨がる紛争をたった三人で本当に半年程度で調停できるのか疑問ではあります。ともあれ東京で一括で解決できるのであれば企業のメリットは大きくなりますので、期待したいところです。