2026年6月
【Topic.1】テイラー・スウィフトさん 『声』の商標登録を出願 AIの模倣に対抗
「人気歌手のテイラー・スウィフトさんが米国特許商標庁(USPTO)に自身の音声や写真の商標を出願したことが28日、わかった。人工知能(AI)で本人そっくりの声や映像を生成できる技術が広がる中、権利保護を求めた。商標はスウィフトさんがステージに立つ写真1点と、『こんにちは、テイラー・スウィフトよ』と話す音声クリップなど2点の合計3点を24日、出願した。」とのことです。
こういった音声等が商標として認められれば、音声の無断利用の抑制に繋がります。日本でもアニメ「呪術廻戦」の七海建人役や「ゴールデンカムイ」の尾形百之助役で知られる人気声優の津田健次郎さんが、生成AIによって自身の声を無断で模倣した動画が公開されているとして、TikTok(ティックトック)の運営会社に動画の削除を求めて東京地裁に提訴したそうです(5/24、日本経済新聞)。
昨今、AIの普及によって著名人の声そのものをブランド資産として保護する必要性が高まっていますので、模倣行為の対抗手段としてこのような商標登録出願が日本でも増加すると考えられます。歌手や声優だけでなく、俳優、アナウンサー、YouTuberなどにも同様の動きが広がる可能性があります。
【Topic.2】著作物利用、より簡単に 新制度スタート 許諾なしでも補償金でOK
「著作権者と連絡が取れず、使用していいかどうか分からないイラストや楽曲などの『著作物』を、補償金を支払えば簡素な手続で最長3年間使用できる新制度が4月から始まった。インターネットなどにはさまざまな人が創作したコンテンツがあふれているが、許諾の可否が不明で利用されず『休眠状態』のものも多い。こうした著作物の利用を促し、著作権者にも補償金から対価を支払えるようにする狙いだ。」とのことです。
この新制度は「未管理著作物裁定制度」といい、著作権者の連絡先が明示されていなかったり、連絡しても14日以内に応答がなかったりした場合に、申請して文化庁長官が裁定すれば、補償金を支払って二次利用ができるようです。申請先は東京の「公益社団法人著作権情報センター」になるそうです。イベント等で早急に画像を使用したい場合に適しているとのことですが、申請から裁定まで時間がかかると「使えない」制度になりますので、運用のスピード感が求められます。
【Topic.3】民事裁判、あすから『全面IT化』 脱・書面、電子納付に統一 先進国から大幅遅れ
「民事裁判手続をIT化する改正民事訴訟法が21日、全面施行される。訴状の提出から判決の送達まですべての手続きがオンライン化され、訴訟費用は電子納付に統一される。紙の書面のやりとりが前提だった裁判実務は大きく変わる。」とのことです。
法廷にはWi-Fiを整備し、パソコン上ですべての裁判記録にその場でアクセスできるそうです。手数料や書面の送達費用などの支払いは電子決済サービス「Pay-easy(ペイジー)」に一本化されるそうです。
裁判費用の削減に加えて地方からのアクセスも容易となり、裁判所業務も効率化される、とメリットは大きいですが、反面セキュリティ面やシステム障害時の対応、日常的にパソコンを使用しないいわゆるデジタル弱者への配慮も懸念されます。
【Topic.4】国産AIへ製造業連合 ソフトバンク新社に出資検討 旭化成など30社
「ソフトバンクが設けた国産AI(人工知能)開発の新会社に対し、旭化成など30社程度が出資を検討していることが分かった。すでに資本参加している自動車や電機の大手に加え、化学やロボットも含む製造業の主要企業が集結する。」とのことです。
新会社は、ソフトバンク、NEC、ホンダ、ソニーグループの4社が中核となる「日本AI基盤モデル開発」(東京・渋谷)で、素材や工作機械、物流など製造業を支える企業群も加えてサプライチェーンを横断して使えるAI基盤を、2027年を目処に開発するそうで、日本の業界や企業に特化したAIモデルの開発が期待されます。開発したモデルは出資者などに開放されるようですので、人手不足の対策や国際競争力の強化に繋がると思われます。

